昨日のブログを読み返していたら、そこからの連想で思い出しました。
ある小説のタイトルを、そして、その一冊を残して消えた人の名を。
彼女は、某ジャンルの新人賞の入賞作が文庫になってデビューしました。
それ以前からサイトをお持ちで…わたしがなぜ、そこにたどり着いたのかは覚えていないのですが、当時、ネット越しに数回メッセージのやり取りをしました。
(掲示板に書き込むとレスがつくみたいな感じ。1、2回はメールもしたかも)
ただそれだけのつながり…いえ、つながったともいえない関係ですが、わたしはその方の(ネット上で垣間見る)お人柄が好きで、いつかもっと親しくなれたらなぁと思っていたのでした。
顔も知らないのに「お人柄うんぬん」というのもおかしいですが、彼女のサイトの雰囲気、その考え方や語り口を「素敵だ」と感じたのです。
でも、上記の本が出たあと、ご家庭の事情もあったようで、彼女はネット上から姿を消してしまいました。
デビュー後、誰の前にも立ちはだかる壁…「二作目を出すのはたいへん問題」もあったのかもしれません。
今、当時の筆名で検索しても、その受賞作がヒットするだけです。
もちろん「名前を変えて再デビュー」は可能で、そうなると、親しくなり損ねたわたしには探しようありません。
お顔も本名も居住地も知らないので、「実はお隣に住んでいた」だとしてもわからないのです。
なのに、折りに触れて思いだしてしまう…。
当時のわたし、本当に彼女が好きだったんだなぁ。
彼女の文庫……買ったけど、読むのが怖くて「積読」になっていました。
(どんなに好きな人が書いたものでも「作品も好きになる」とは限らないので…それどころか「作品は合わない」となる可能性もあって…だから怖いのです)
amazonに行ったら、「あなたはこの本を2003年に買いました」といわれました。
やり取りをしたのはそれより前だから、わたしも「どこから見ても新人」だったころですね。
2003年かぁ。
もう、そんなにたつのか……。
たぶん今なら読めると思う。
きっと捨ててはいないはずだから、書棚の奥から探してきます。
ネット上につづられる文章って、パッと見は誰が書いても同じようなものですよね。
「筆跡」もないし。
それでも、読めば違う。
「人柄」が表れるというか、感じてしまうのです(こちらの勝手な感じ方に過ぎないとしても)。
彼女と話してみたかったな。
彼女は、わたしに興味がなかったと思うけど…。