デビュー当時、わたしは自分のことを「20世紀最後の新人」といっておりました。
デビュー作の奥付けが2000年12月25日だからです。
年末…「今年、これより後に本が出る人はいないだろう」
そう思って「最後の」といってたんですが、実際はこの奥付けでデビュー作が出た方はわたしだけじゃなかったみたいです(と、のちに判明しました)。
奥付けが「25日」なだけで、実際の本はもう少し前に書店に並びました。
作品がまるごと世に出たという意味でのデビューは「25日」なのですが、それより少し前にプロとして初めて、つまり、
「『仕事』で書き、対価をいただける作品(の一部)」
としてリリースされたのが、朝日中学生ウィークリー(当時の名称)での連載第一回でした。
というわけで、今日は記念日でもあります。
12月3日も12月25日も記念日なので、とりあえずひっくるめて、12月を「デビュー月」と呼んでおります。
19年間、本当にいろんなことを体験させていただきました。
デビューしてしばらくしてから、
「今後大事なのは、受賞かヒットだよ」
といわれました。
出版界で大きな賞を獲るか、広く知られる「代表作」を書くか。
以来、なんとはなしに、それがなくちゃ生き残れないんだろうなーと思ってきたけど。
気がつけば、無名無冠で19年。
無名無冠だけど、その間、途切れることなく何かしらの仕事をさせていただいてきたのですから、味噌っかすなわたしにしては上出来だと思っています。
(っていうか、この志の低さが、わたしに名作を書かせないのかしら?)
よく聞くようになった「自己肯定感」という言葉があります。
わたし、肯定ラインがすごく低いんでしょう。
ゴム飛びでいったら、くるぶしくらいの低さ。
(目ぇつぶってても飛べるで)
どんなことでも「わたしにしては上出来」と思えてしまうので、あまり苦しまないというか…。
すごく楽に生きてると思います。
(っていうか、楽してるせいで、わたしには名作が……以下略)
たぶん、このまま行きます、ごめんなさい。
20年目もよろしくお願いいたします。