誰かの作品の添削をするとき、わたしは通常、
「こんなネタを書くな」
的なことは申しません。
誰だって、「それ」を書きたくて作品にしたんですもの。
わたしの添削は技術的なことがメインで、
「ここに読点を打つと(打たないと)意味が変わるよ」
とか、
「ここの説明文はもっと後でいいんじゃない?(前に持っていくべきじゃない?)」
とか、
「この形容詞は何も伝えてないから、カットしよう」
とか、
そういう感じ。
内容に踏み込むのは、
「このアイデア、すでに書かれています、有名です」
とか、
「前回の受賞作とアイデアがかぶるから、その賞に応募しても受賞はむずかしいかも」
とか、
そんなときくらい。
いえ、そんなときでも、そのアイデアが書き手にとって「書きたいもの」なら、書くしかない(頭から取り出すしかない)ので、「とりあえず書いて(仕上げて)みて」とはいいます。
なぜ、いきなりこんな記事になったかというと、「内容」に踏み込んだ講評を書きそうになったから。
「あなたがこの表現を使いたいなら、しかたない」
という気持ちと、
「だけど、これを読まれることによって、あなた自身の評価が下がるかもしれないよ」
という気持ちと(おせっかいかもしれない)。
しばらく脳内議論をしなくてはいけないな、と思って……そのためのメモです。