そういう歌、娘の幼稚園時代によく聞きました。
「あーなたのおなま、え、は?」みたいな感じね(わかります?)。
きちんと意識して(というのも変ですが)「小説らしきもの」を書いたのはハタチ。
初応募は22歳。
以来、駄作、凡作、迷作など、長短合わせて数えきれないくらい書いてきました。
(デビュー前に、原稿用紙換算で5ケタ枚数になってた記憶が…)
それだけやっても「効率よい決まった手順」みたいなものが、わたしにはありません。
毎度毎度、手探りで組み上げていく感じ。
だから、正直言うと「0から作品を書くメソッド」の指導力は脆弱だと思う…。
(これが、昨年苦労した「再現性」問題にも通じてくるんですよね、ホント、すみません。←誰に?)
「こうすれば書けます」って、いくつかのパターンは示せるけど、本当は、
「でも、ルートはひとつじゃないから、いずれ、あなたに合う方法を見つけてね」
みたいな気持ちでいますの…。
これが料理なら……たとえば、カレールウを溶かしたお湯に、皮ごと、まるごとの野菜を放りこんで、煮えてから剥いて、切る、みたいなことは(普通は)しませんよね。
でも、物語作りってさ、最終的に完成形ならいいわけで、
「まずタマネギの皮を剥きましょう」
とかじゃないと思うのです。
(そういう方法で書く人もいるし、そのほうが着実に、確実に、原稿ができあがるとは思う…けど、それができないと書けないわけじゃないのです)
わたしは毎度手探りなので、何百という物語を書いても、未だに頭を抱えてウロウロすることがあって。
ほんと、効率悪い…と自分でも思うけど。
カイゼン好きなわたしも、これはどうにもできず。
現在は、名無しの主人公に苦労しています。
登場人物の「名前」って重要。
名前が決まらないと、呼ぶことができない。
呼べないとイメージが広がらない。
登場人物同士も呼びあえないから、関係性を作れない。
(「みわちゃん」「みわこさん」「みわこ」…呼び方で距離感も全然違うでしょ)
で、ずっと名前が決まらないので先に進めなかった物語があって、これを書いている現在もまだ決まってないのだけど、とりあえず、無理やりプロットを作ることにしました。
プロットというより、アイデア出し?
見えている部分を言葉にしていく作業です。
そうしたら、やっと主人公が「相手役」の名前を呼んだよ! ありがとう!
ジグソーパズルのように、わかる部分から埋めていけば、絵はできあがっていく。
主人公の名は「最後のピース」かもしれないけど、このまま続けていこうと思います。
gotomiwaメソッドは作れなかったけど、確かに「脳内にあるものを言葉にして外に出す」のは大事だと思う…。
書いた言葉が、それまで見えなかったイメージを引きだしてくれるから。
講師としてのわたしがよく、
「冒頭の1行目から書かなくてもいいよ」※1
「見えてるシーンから書いていって、あとで並べ替えればいいよ」※2
といってるのは、そういうことです。
※1 冒頭の一文ができあがることで、パーッと続きが(ときには全編が)見える場合もある。
※2 クライマックス(あるいはいちばん書きたいところ)は鼻先ニンジンとして、取っておけ、それ以外の部分から書けという人もいる。でも、そういう部分は何度考えても、何度書き直しても快感だから、とりあえず書いていいんじゃない?