中止・延期でカレンダーにバツ印が増えた分、あれこれ作品を書く時間が増えました。
そして、本を読む時間も。
ここ数年、ほとんど小説を読んでいなくて。
一年に、片手で数えられるくらいだったんじゃないかな…。
高校時代に「オリエント急行殺人事件」に出会って以来、読書の大半はミステリー、というくらいミステリー好きだったのに、そのジャンルさえ極少数で。
ミステリー人生を取り戻すべく(大げさ)このところミステリーばかり選んでいます。
それも日本の、昭和のミステリー。
その昭和っぷり(あたりまえ)がおもしろくて。
ネットもケータイもない、みたいな、すぐに思いつける「ないないない」も興味深いのですが、
「主人公、またはその親が戦争に行っている」
「個人情報? 何じゃそれ? 状態」
「国鉄には乗るけど、地下鉄の利用率は低い」
「ネガがあり、焼き増しができる写真」
「え、手書きするの? たいへーん! みたいなシチュエーション」
などなど。
楽しい!
……人、死んでるけど。
考えてみたら、そういうミステリーはこれまでだって読んできたわけですが(オリエント急行の乗客だって誰もケータイは持ってない)久しぶりに読んだら、そこに目が行くようになった、という感じです。
昭和の、が続いたのは「たまたま」だったけど、今は「わざと」選んでいます。
散逸しちゃった仁木悦子とか、また集めようかなぁ。
ああ、こうして、また、本が、増殖……。