先日、勉強会に行くために駅のホームにいたら、くっつきあって立っている若い男女を見かけたのです。
くっつきあって、といってもいわゆる「いちゃいちゃ」ではなく、男性は女性の背後にいるの。
背後、といってもバックハグでもなくて……。
「どういう状況なんだろ?」
ほどなくわかりました。
男性の手が、女性の後頭部で勢いよく動いたからです。
この説明でわかるでしょうか。
あれは髪を抜く動作です。
おそらく白髪でしょう。
若白髪。
ゴミなどを取るなら、あのスピード感は出ませんからね。
「頭をはたく」なら、手の動きの方向が違いますしね。
実は、その半月ほど前にわたしもやったんです。
娘の白髪を抜きました。
若白髪。
娘、20代ですから。
白髪は一本。
たった2センチほどでした。
短いので、ピンと天を向いていて目立つのです。
前髪のあたり、一角獣なら、その角が生えているような位置です。
白髪は抜いてはいけない、といわれることもありますが、根元で切っても白いまま伸びてくるはず。
そして、自分では抜きにくい…。
というわけで、わたしが抜きました。
ピッと抜きました。
駅で男女を見かけたとき、「抜いたんだな」と思ったのはそういうわけです。
この話にオチはありません。
「わたしはもう、娘に白髪が生える年なんだな」という感慨は、ちょっとあります。