先日、新幹線を利用したとき、隣の席にいらしたのは、わたしより少し年上と思われる、楚々としたご婦人でした。
テーブルをセットして、その上にタブレットを置き、ずっと、読書したり新聞記事のようなものを読んだりなさっていました。
タブレットの横には、一枚(ひと粒と呼ぶべきかな)のチョコレートの包み。
個包装で、約26キロカロリー。
なんでカロリーまでわかるのか。
わたしは新幹線クラスの外出のとき、必ずチョコレートを持っていきます。
車中泊的なアクシデントに備えて。
もちろん、小腹がすいたときにも食べます。
なんで、彼女のチョコのカロリーまでわかるのか。
わたしもその日、同じものを10個、小さなジッパー袋に入れてリュックに忍ばせていたからです。
「わあ、おんなじだ!」
と、隣人のチョコを見つめるわたしの目は、はたから見れば物欲しげだったかもしれません。
その女性は、途中でそのチョコを召し上がっていました。
彼女はわたしより先に降りましたが、隣席にいるあいだは、わたし、自分のチョコを取りだせなかったです。
それとも、「おんなじですー」といってコミュニケーションを図るほうがよかったのかしら。
とりあえず、彼女が降りてから、わたしも自分のチョコを数枚いただきました。
小腹が空いたからというより、「チョコを食べたい」気分になったからでした。
そうだ、次の旅のために、携帯チョコを補充しなくては。