11月2日。飯田橋にある東京大神宮で開かれた、絵馬師・永崎ひまるさんのワークショップに参加してきました。
「天然木曽檜で作る【あなただけの開運絵馬ネックレス】」
絵馬に使われるものと同じ木と絵の具で、好きな絵を描いて、「いつも持ち歩ける絵馬」を作りましょう、というものです。
普段なら「東京で開かれるのね」で流してしまいそうになる情報だったのですが、なんということでしょう、神楽坂で創作教室が実施される日ではありませんか。
地下鉄でひと駅の近さ。
そもそも飯田橋は、今年、理事会や創作教室で上京した折に、ほぼ毎月降りている駅です。
創作教室は午後、ワークショップの午前の部なら出られる。
そのためには7時台の新幹線に乗らねば。
というわけで朝の家事を頼み、5時台に出発しました(日の出前で薄暗く、家族はみんな寝てました、家出の練習みたいでした)。
現地までに4回乗り換えるんですが、交通機関も順調。
無事に、東京大神宮の会場に着きました。
(こんなに何度も行っている飯田橋なのに、東京大神宮の存在を知らなくて、今回のために結局2回、下見≒参拝もしました。だから、道はバッチリ)
で。
ざっくり説明しますと、木曽檜(すごくいい匂い!)に願いを込めて好きな絵を描いて……というワークショップなのですが(ざっくり過ぎてごめんなさい)。
何十年も色を塗るような絵なんて描いていないし(元・漫研)、年々指先が不器用になるし、そもそも「絵心」なんてないし……で、何かを願うゆとりがなくて。
描いているときの頭の中は「あれ?」「どうして?」「ここが変」「わー、失敗した」で満たされておりました。
けど、楽しかった。
描きあがったものの裏面に、東京大神宮の権宮司さまが一文字入れてくださるのです。
文字は自分で決め、お願いすることができます。
わたしは「藤」という字を書いていただきました。
11月2日は、わたしが「後藤」という姓になった日でもあるからなのですが、植物の藤自体、思い入れがあるのです。
絵馬にも本当は藤の花を描きたかったけど、わたしの技術では無理で、その代わり紫色をメインにしたのでした。
(絵自体は、名刺のデザインの真似っこです)
この秋、久しぶりに、とある街を訪れました(行かざるを得なくて)。
ずっと、その街を舞台(モデル)に「藤」が重要な役割を果たす小説を書きたかった…。
なのに、何パターン書いてもうまくいかなくて、結局お蔵入りにしてしまいました。
秋にその街を訪れ、その後、この作品を思い出してしまうような出来事が起こり(ここらへん、長くなるので省きますが)……
最近、わたしの心の中には藤のツルが巻き茂っていたのです。
この結婚をしなければ、児童書に関わっていなかったであろうわたしが、諦めた作品について省みている…。
創作者としての自分に、今ふさわしいのは「藤」だ…。
カッコよさげに説明すると、そんな感じなのです。
画数が多くて恐縮しつつも、見惚れるような「藤」をいただきました。
自分の絵(のようなもの)より、その文字があればよい、「こっちが表ってことにしたい」と思うほどです。
帰りに東京大神宮にお参りしたら、おりしも結婚式!
若くてほっそりした美男美女に目の保養をさせていただきつつ、「わあ、結婚記念日が同じだ」なんて思ったりして……すみません。
そうそう、もうひとつ。
わたしの父は木曽の出身、絵馬に使われた檜と同じ空気を吸って育った人です。
遺伝子レベルでのご縁もあるのでした。
ひまるさんにお会いするだけで、運が開けそう。
開かれっぱなしにしたいこの秋、原点に立ち返ってみようと思います。
どうもありがとうございました!