わたしはここに、仕事のことをあまり書かないようにしています。
仕事は「つまらないこと」じゃないからです。
でも、ときには書きます。
感謝を記しておきたいので。
東北の震災の次の年、「100回目のお引っ越し」という作品を出していただきました。
ありがたいことにその後、毎年重版していただき、今年とうとう第10刷になりました。
この作品ができあがるまで、何年かに渡るいろんなことがあって……
それはいま思い返すと、すごろくというかあみだくじというか……サイコロの目がひとつ違えば(あるいは選ぶルートを変えれば)結果も変わっていたと断言できます。
どの作品にも同じような「もしも、あのとき」があるんですが……この作品は特に。
詳しいことは書きませんが、先輩作家さん、編集者のみなさん、何人もの方のご厚意に助けられての結果です。
ご厚意のリレーで作品が育って本になった、そんな感じ。
その「何人もの方」に出会えたのは、それ以前の仕事(作品)があったから。
デビュー間もないころから、わたしは「ひとつの仕事が次の仕事を連れてきてくれる」と感じていて、実際に口にも(文章にも)してきました。
思い返せばはじめから(いえ、デビュー前の公募時代から)ずっと、リレーがあったのですね。
どこかで途切れていたら、このブログを書いている「今のわたし」はいなかったかもしれません。
ここに書いても聞こえないと思うけど……
「100回目のお引っ越し」のために手を貸してくださったみなさん、ありがとうございました。
今も変わらず、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして。
この本を手に取ってくださったみなさんにも、心からお礼申し上げます。