1階と2階、ふたつのトイレの新調工事が終わりました。
まだ新しいのに慣れなくて、「よそのおうち」で借りている気分です。
タンクにあるレバーの位置が左から右になったので、一瞬探してしまいますし。
わたしはいわゆる「同居の嫁」ですが、家は二世帯住宅ではありません。
つまり完全同居……正確には「トイレ以外完全同居」です。←よく、こういってる
第一子が生まれたら同居することになっていて、あまり悩まずに承諾できたのは、嫁ぎ先(いま住んでいる家です、当時ほぼ新築)には「2階にもトイレがあるから」でした。
義父母とトイレが共有できない(したくない)という意味ではなく、単純に人数の多い家にトイレがひとつでは暮らしにくいと感じていたからです。
(行きたいときに行きたい。可能なら、ひとりにひとつほしいくらい)
今回の工事で、しみじみ思いました。
この家のトイレが1階にひとつしかなかったら、わたしはこの家に住まなかったかもしれない。
この家に住まない……この不便な(当時は今以上に不便な)町に住まなかった……としたら。
たぶん、童話を書いていず、作家になろうとも思わずにいたでしょう。
(趣味では、何か書き続けていたと思うけど)
インターネットどころか、FAXさえなかった時代、赤ん坊のいるペーパードライバーのわたしにできることは、ポストに行くことくらい。
懸賞にハマり、新聞や雑誌に投稿するようになり、標語や作文を応募するようになり、童話を書いてみるようになり……そして、今、なので。
新しくなったトイレに、改めて「あなたのおかげ」といいたい気分です。
エスペラント語で、トイレはnecesejo……「必要な場所」と表現します。
わたしが童話と出会うために必要な場所、それが「2階の(ふたつ目の)トイレ」だったのでした。