突然、暗い話をするようで恐縮です。
(暗い気持ちじゃないんですけど)
わたしは、友だちを作れない子だった。
物心ついたころ……つくかつかないかのころかな……友だちがいなかった。
作れなかった。
今の言葉でいえば、コミュ障? 「空気読めない子」?
はじめに通った幼稚園は「名門」で、そのまま進めば皇族のご学友になれるといわれるところだったそうだ。
たまたま近くに住んでいたから、通っただけなんだけど。
引っ越すことになって、最後の登園の日、先生が、
「(最後なので)みわこちゃんと遊んであげましょう」
みたいなことを言った記憶はある。
で、誰かが「いっしょに遊ぼう」と声をかけてくれたけど、わたしは素直になれずにひとりでいた。小さくイヤイヤをした記憶もある。
引っ越し先では、保育園に入った。
わたしは年長組で、編入早々、先生の指示がよくわからなかったせいだと思うんだけど、隣の席の女の子に机の下で太ももをつねられた。
それは「ご指導」。
彼女は、「早くしなさいよ」みたいなことを言いたかったんだと思う。
つねられたことしか覚えてないけど(えへっ)。
トロい子だったんだろうか。
(余談だが、中三の夏、プールサイドで「まぐろ」というあだ名をつけられて、以来ハタチくらいまで「まぐろちゃん」だったのは「トロ」と関係がある?)←ない
それから、それなりに遊び友だちとかもできたけど、やっぱり「はみ出す」ことが多かった。
クラスで、班とかペアとかを作るときに、「余る子」っているでしょう?
わたしは、そうなりがちな子だったわけです。
一方で「みわこは親友」みたいにいって、くっついてくれる子もいたんだけど、わたしは人にくっついていくことが苦手で、いつも「受け身」。
そういうの、中学のときにも経験したし(「いつも」ではないのよ)、高校でもそんな感じの子だった。教室にいるより部室のほうが好きだったり。
そんなこんなで10代まで行くと、自分の中でも固まってしまうのですね。
以下、主語「わたしは」を省略しますが、
「友だちが作れない」
「存在感がない」
「つきあいが悪い」
「友情が長続きしない」
「気が利かない」
「取り柄がない」
みたいな気持ちが。
でも、それから40年も50年もたってみたら、「あれ?」ってなった……。
10代でできたペンフレンドとか、20代30代に知り合って、未だに付き合いが続いている人がいるなぁって気づいたのです。
中学や高校の同窓会に行ったら、わたしを覚えていてくれた人もいたし。
ハタチまでそう呼んでくれた友だちには、未だに「まぐろちゃん」って呼んでもらえるし。
今の仕事でもそう。
デビュー前・デビュー当時から知っている人の何人かと、今でもつながっていたりするの。
20年か、それ以上。
大親友とか、べったり、とかじゃなくても、わたしには十分すぎる……。
わたしって、子どものころにそう思ったような、その後も自己認定したような「友だちのいない子(←おばさん)」じゃないのかも?
今だって、たぶんコミュ障気味で、空気も読めないんだと思うけど……。
絶望的な状況でもないんじゃないかな?
と、昨日の朝、突然気づいたのです。
なんていうか……自己評価が90度くらい変わった感じ(さすがに180度ではない)。
半世紀たたないと、わからなかったわけだけど。
このようなわたしと未だにつながってくださっているみなさんには、感謝しかありません。
本当に。