9時から4時まで

夜9時に寝て朝4時に起きるgotomiwaが可能なかぎりつまらないことを書くためのブログです

ホラーよりファーザー

映画「ファーザー」を観てしまった……

 

「観てしまった」というしかない。

そんな気分。

 

マイ・ファーザー(実父)は認知症である。

体は(癌や腫瘍もあるのに)元気だし、朗らかに暮らしているほうだと思うが、短期記憶はダメダメだ。

 

「ファーザー」はアンソニー・ホプキンスアカデミー賞を獲った映画。

彼が認知症の老人を演じている。

 

正直言うと「観ておくと参考になるかな、父上がああいう状態だしな」という気持ちだった。

ごめん。

ちがうわ。

 

これは「父の映画」ではない……「わたしの映画」だ。

将来、けっこうな確率でわたしが体験しかねない世界だ。

 

好んで見るジャンルじゃないとはいえ、ホラー映画はいくつか観ている。

「ファーザー」は、まるでホラー映画。

一瞬、「シャイニング」を観てるんだっけ? なんて錯覚したほど。

廊下の先に、双子の少女が立っていそうなんだもの。

この際、ホラー映画に分類してもいいんじゃないか?(いや、よくない)

 

「わざとホラー映画っぽく作ってるんじゃないの? なんなのよ、その演出は。もー」

と責めたくなるほど、認知症の主人公から見える世界は『客観的』にはホラー。

でも、本人にとっては不安と困惑の世界……だよね。泣けた。

 

認知症の症状は人それぞれだと思う(この映画の主人公とうちの父も全然違う)。

もちろん、そうならない人もいる。

できることなら体験せずにいたいけれど、もしも認知症になる未来しか選べないなら、せめてロマンチックコメディの世界で、イケメンの介護士さんにときめいたりして過ごしたい。



【追記】

投稿してから変なタイトルだなって気づいたんですけど、たぶん、ホラー映画より怖かったって言うつもりだったんだと思います…