「ゴトウはいったいどのようにして作品を発想し、書くのか」
という話を作家のお友だちとしていて、改めて思った……「拾った(または、もらった)種からだ」って。
少なくともテーマ先行ではない感じ……ここでいうテーマというのは(よく「題材」とごっちゃにされるけど)漠然としたもの。
「友情の大切さ」とか「子どもの貧困について問おう」とか「ヤングケアラーとは」みたいなもののこと。
そういうものは話を組み立てていく間に、勝手に含まれ、表れてくる(ことがある)し、もともと持っている「個人的な問い(人生の謎ね)」を書いていることもあるけれど……作品を書く発端は、そういう抽象的なものではない感じなの。
うまく言えないけど。
「あした地球が終わる」は「地球滅亡を書きませんか?」という依頼(?)で。
「Hシリーズ」は「次は部活ものとか、どう?」という提案で。
「100回目のお引っ越し」は、もともと「引っ越し」の話を書きたくて、紆余曲折を経て。
「秘密の菜園」は「服の前ボタンを掛け違う」が「種」だった。
だから、まったく違うキャラ、違うストーリーに育っていった可能性はある……まぁ、「なるべくしてこうなった」という気持ちはあるけれど、可能性としては「ある」だと思う。
で。
昨年末から取り組んでいて、なのに全然進んでいない(何しろ主要キャラの名前がいまいちキマらない)作品のことを思い返すと、まさに。
「Aについて書きたい」(取材先あり)
「Bの出てくる場面を書きたい」(ある意味取材済み)
からはじまり、
「ジャンル的にはCにしたい」(わたしの希望)
これらの種(?)のミックスナッツ状態。
ここまで決まっていれば、道筋もある程度見えるので……実はもうほとんどの部分「見えて」いるのだと、改めて気づいたところ。
つまり、主人公たちの「名前」がネックになっているのだな。
……互いを「呼べない」ので、脳内の彼らの会話がぎこちないのだ。
名付けで問題になるのは「る」だ。
わたしの作品(の主人公)には「たける」「わたる」「たつる」みたいな名が多い(わたしのシュミです)。
さすがに過去作と同じ名は使えないから(「わたる」は二回使ったけども)そろそろ「る」の名がネタ切れに。
「BOXシリーズ」(3人の名字は「色名」)とか「100回目のお引っ越し」(全員地下鉄の駅名)みたいな「あそび」を考えてもいいんだけど……すでにABCの条件があるうえに「あそび」で縛るのもどうかなー?
さらに、重要な原動力になるのは「萌え」だということもわかっている(作家友だちとの会話の中で自覚した)ので、その部分を遠慮(←誰に?)せずに創れるか、という問題もある(ワクワク困惑中~)。
この作品は、編集者さんと話していて「じゃあ、書きます」と約束したもの(依頼ではない)。
「ちゃんと書きましたよ~」といいたいだけの(本にならなくても全然OKの)物語。
臆することなく萌えを注ぎ込み、ご隠居の道楽みたいな感じでルンルン書こう、そうしよう。
という結論に至りましたよ。>作家友だちのみなさん。