先週、作家友だちと話していたことと、講座の受講生さんにお話ししたこと(正確には講評に書いたこと)がシンクロしていたので、覚書的に。
文章が(文法的にも)正しく書けていることは、物語を読者に伝えるためには必要。
でも、正しければ伝わるわけじゃない。
作者の頭の中に「絵(映像)」が見えていないと……。
「言葉だけを並べて」文章を書いていると、原稿の見た目はちゃんとしていても、中身がない(読んでも、その内容がこちらの頭に浮かばない)ものになったりするのです。
あるいは、頭に浮かべてみるとシュールな世界だったり、ね。
ありがちな例では、「この場面で主人公がこの行動をするには、腕が三本ないと無理」みたいになってたりする……。
そうなっちゃうのは(単なる書きミスの場合もあるだろうけど)作者の頭の中に、ちゃんとその情景が見えていないから。
あるいは、書いた後でその文章から見える情景を検証していないから、なのでしょう。
創作歴が長くなると、読んでも情景が浮かばない空っぽな(でも文法的には正しい)文章で作品を書き上げることができてしまう……結末まで書けてしまうようになるのです。
書けてしまうから、逆に「腕三本」に気づけなくなるのかもしれない。
文章を書き慣れちゃうって、怖いな。
気をつけなくては。わたしこそ。