中学生だったと思います、初めて文庫本(つまり「おとなの本」)を読んだのは。
そのころ、すでに書くことへの憧れはあったのですが、たくさんの文章を書けるわけではなく、浮かんでくるのは断片にすぎず……もちろん、身近に「書く人」もいなかったので、創作に関する知識はゼロでした。
そんな子どもだったわたしは、「形から」入ろうとしたんですね。
本になっている小説は、その本の見た目のとおりに書かれているのだ、と考えたのです。
学校では20×20の原稿用紙を使うけれど、それは「国語の勉強用」であり、おとなになったら、そして小説家なら、本の書式に沿って書くのだと……。
手元の文庫本で、一行あたりの字数を数えました。
43文字だったと記憶していますが、とにかく、その数のとおりに文章を書こうとしてた…。
(紙に一行43文字の升目を作った記憶があるわ…)
実際に書くようになったら、「ソレ、チガウ」とわかるんですけど。
思い出してみると、当時のわたしは「わたしなりに」頭を使って、
「本のような見た目に書こう」
としていたのだな、えらいぞ。
カギカッコなどの記号類の使い方も、「小説の書き方」の本と読むだけじゃなく、その本のアドバイスを自身で(実際の小説本で)確認しながら覚えていった気がします。
講師として「当時の自分」を見たら、やっぱり「えらいぞ」というと思う。
ところで、400字詰換算に慣れすぎて、最近よくいわれる「文字数」がピンと来ないのです。
ワープロソフトだと自動で文字数を出してくれるから、使っている人には馴染みがあるのかな。
この作品は2万字、みたいな言い方をされても、400で割らないと、その量が把握できないのでありました。
「古い人」なんでしょうか。