アイデアのメモはずいぶん前から作っていたのに、清書が……その作品のファイルを作るのが遅れに遅れていた童話。
「そろそろ動かないと、わたしは自己嫌悪で命を縮める」
とわかっているので、朝起きて、いちばんに(ネット上を徘徊したりもせずに)実行しました。
短い作品ですから(メモもあるし)「これで初稿ができたワ」といえる程度になるのに、かかったのは1時間ほど。
1時間なのに今まで動けなかったのか、と思うと、それもまた情けないですが。
「添削講評脳」から「創作脳」へ……読み手から書き手への切り替えに時間がかかってしまうのです。
そのため、朝イチ……ほかの方の作品が頭の中に入っていない状態がベスト……というわけです。
ひととおり書き終えて、バックアップも済んで……
「この作品には、どんなダメ出しが来るかしら」
と、考えていました。
いえ、そんなのを待っていちゃダメで、(これまでのダメ出しをふまえて)今できることはしたのですが……ど、どうかな?(^^ゞ
デビューから20年以上過ぎて、まだまだこのあたりでつまずくことがあるのは、
「書きたいものを書けばいい」
という、諸先輩方や編集者さんからの励まし(?)を真に受けて生きてきたからかもしれません。
よく聞くでしょ、この言葉。
「書きたいものを書けばいい」というのは一応真実だと思うけど、そういわれる理由のひとつは「あなたは○○を書きなさい」と指定できないからであり(編集者さんがそれをいったら「依頼!?」と誤解して喜んでしまう人もいるでしょうし)、「あなたにしか書けないものを書きなさい」(≒すでに誰かが書いているものを書くな)という意味でもある……。
そして、デビューのため、出版のために「書きたいものを書けばいい」といわれるとき、そこにはさらに、この言葉が……。
「ただしイケメンに限る」的に、「ただし子どもが読みたがるもの(つまり「売りものになる作品」)に限る」みたいな言葉が隠されている……と思います。
わたしは、本当に「(自発的に)書きたいもの」を書かせていただくことが多く……ゆえに「あした地球がおわる」とか「飛び箱シリーズ」とか「秘密の菜園」とか……
「思いついたので、これ、聞いてください」
「これ、書きたいから、書かせてください」
と、ずいぶん通していただいたと思う……。
恵まれていると思うのですが、それでも「本」として仕上げるまでには「こういう点を整えないと通らない」みたいな要求(?)がありました。
「あした地球がおわる」なんて、その修正の過程で一部の設定が180度変わったりもした……自分でも「あああ!」ってなるような、コペルニクス的転回(大げさ)でした。
(余談だけど「ボーイズ・イン・ブラック」は元々わたしの中に「エイリアン属性※」も「書きたい」もなく、でも1巻が通ったら、求められるのは「ちゃんと3巻か4巻で終わらせてね」くらいだった気がする……そのうえ、とてつもなく楽しかった! 本当に恵まれてるなぁ)
締切や枚数やグレード(対象年齢)を守るのは当然。
守れて当然、です。
そして、これは「トレーニング」でクリアできるようになる。
だけど、そこから先は一気に茨が深くなる気がします。
わたしも未だに、足を引っかけてしまうことがある、という「悪い見本」みたいなお話です、すみません。
※ そうなんです。わたし、SFが好きだけど「エイリアン」は範疇外。書かないと思っていた。でも、それ以前に、スペースオペラも滅亡もの(好き)も書いて、書けないと思っていたタイムトラベルも書いて(プリウス開発物語だけどなぜかSF)、ほかにやってないのは何だ? エイリアンか? みたいな感じで……
だから、第1巻の初稿ではしのぶはもっと「エイリアン」ぽかったのです。ざっくり言えば、本当の姿があるけど地球人に化けている、的な。
だけど、それじゃ「作られた美少年」ってことになっちゃうし、これだけいっぱい星があるんだから、地球人と肉体的に変わらないエイリアンがいないはずはない、と思って。
まぁ、彼はいろんな面で「地球人と同じ」ではないですけども、とりあえず「天然」です。