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形式名詞

最近、添削の際に形式名詞のことを説明する機会が増えました。

いえ、これまでも、必要に応じて「この言葉は普通はひらがなで書くんだよー」的なことはお話をしていたのですが。

 

ネット上でお付き合いのある方の文章ではめったに「形式名詞が漢字で書いてある」というのを見かけないので(当然、新聞・雑誌・書籍でも見かけないので)たまにお預かりした原稿の中で見ると、目が違和感を覚えます。

 

ただ、わたし自身、数年前に中学の国語文法のドリルで改めて教わって、

「あらら、これも形式名詞だったの?」

となった語はありますから、「人のことはいえない」状態であります。

(以来、それらの語もひらがなで書いております)

 

形式名詞について添削時に指摘するようになったのは、ひとつには、

「ひらがなで書いたほうが、書き慣れた(うまい)人に見えるから」

です。

 

え、そんなことで騙せるものじゃないでしょ……と思われるかもしれませんが。

「そんな事で騙せる物じゃない」と書くよりは、「こなれて」見えませんか?

 

わたし自身が応募している時代、選考委員の先生は、

「受賞する原稿は光って見える」

とおっしゃいました。

選考委員として応募原稿を、講師として応募を目指す原稿を拝見するようになって十余年、わたしも今ではそう思っています。

 

形式名詞は普通はひらがなで書くんだ※って、知らなくてもいい。

わたしだって、中学時代の文法なんてけっこう忘れていましたし(未だに完璧じゃないし)、解説時に「連体修飾語」と「形容詞」をごっちゃに使ったりするし。

 

でも、「あ、そっか、ひらがなで書くんだ」と知ってひらがなで書くようになる人は、作品自体もよりよくできると思うのです。

それ以外の部分でも「ここはこう工夫してみよう」って変えられる柔らかさがあると思うから…。

そう信じて、「事」や「時」をチェックしています。

 

※ 童話だから(漢字を減らすために)ひらがなにしよう、ではないのよ。

 

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