車でスーパーに行こうとしていたら、家族に急用ができて寄り道することになった。
目的地に着いて車を停め、運転してきた家族はエンジンを切って、外へ。
10月とはいえ晴れている。
車内が暑くなるといけないので、と、運転席と助手席、両方の窓を数センチ開けておいてくれた。
わたしは助手席に座ったまま。
早ければ10分もかからずに戻るであろう家族を、スマホをいじりながら待つ…。
ほどなくして、運転席側の窓から日差しが。
10月の午後の、低めの日差しが。
まさか(ガラス越しとはいえ)こんなにクリアな直射日光に炙られるとは。
大誤算。
外に逃げたい。
日陰に行きたい。
けれど、わたしは知っている。
この状態でドアを開けると、アラームが鳴ることを。
そして、わたしは知らない。
外に出てドアを閉めれば、アラームが止まるのかを。
(鳴りっぱなし!?)
もともとの目的が買い物なので(その寄り道のあとに買いにいく予定だったので)車内にはお茶もない。
横顔を強烈に照らされつつ、耐える。
こころなしか、スマホも熱してきた(ゲームのやりすぎかも)。
窓の隙間で、風に当ててみたりして。
やがて、太陽が雲に隠れてくれた。
多少、楽になった。
でも、去ってから30分を経過しても戻ってこなかったら、「暑いよぅ」とLINEを送ろう。
「外に出ていい?」って聞こう。
そう決めていたのに、無常に雲から出る太陽…。
なんとなく、指先がしびれてきた気がする(ゲームのやりすぎかも)。
実は、そこは病院の駐車場である。
中にお医者さんはいるんだろうか、わたし、患者になるんだろうか。
それもどうなの?
自分で決めた時間を3分ほど残して、家族にSOSを送る。
わたし:暑いよ。外に出ていい?
家族:ドアを開けるとアラームが鳴るよ
(知ってる…)
家族は戻ってきてくれた。
西からの日差しに炙られていたのは30分足らず…それでも、しばらくそちら側の目に違和感があった。
直接太陽を見つづけたわけじゃなくても、「目に来る」んだね。
(顔半分が赤かったらしい、家族によると)
灼熱(←主観です)の助手席で、わたしは考えていた。
「ディック・フランシスの競馬ミステリのシリーズに、こういうのがあったよなぁ。タイトルは何だっけなぁ」
(呑気か)
帰宅後、キーワードでググってみて「ああ、これこれ。これだ」と判明しました。
この記事、「読書」タグをつけます。
ただ、ある意味ネタばれだと気づいたので、そのタイトルを書くのは控えます(ごめんなさい)。
とにかく……その本では主人公が悪者(?)の手によって、とある灼熱の地に放置された車の中に閉じ込められるのです。
彼は賢いので(D・フランシスの書く主人公はみんなストイックで賢いの、そこがいいの)生き延びるために知恵を絞りました。
わたしは27分でSOSを送りました。
このような状況のときは、外に出て待て。(または)キーを預かれ。
今回の教訓です。