9時から4時まで

夜9時に寝て朝4時に起きるgotomiwaが可能なかぎりつまらないことを書くためのブログです

最後の作品。

先日、リモートで、デビュー前のことなどをお話しする機会があったのですが……

 

公募時代……つまり、童話を書いてコンクールに応募して、というのをくりかえしていた時代……わたしがしょっちゅう恐れていたのは、

「これが最後の作品で、もう二度と書けなかったら(何も思いつけなかったら)どうしよう」

ということでした。

 

いわゆる「ネタ切れ」という意味もあるし、ネタがあっても作品にできない(文章にする力、構成する力が消えてしまう)という意味も。 

 

ほんとにほんとに、それが恐かったんです。

落選より恐かったな。

(落選すること自体は、そりゃしないに越したことはないけど、「恐い」という感覚はなかった気がする。そもそも落選がデフォだし)

 

一年に何十かの童話を書いて(応募して)、見るもの聞くもの、何でも童話に変換している※感じがしていたころです。

それでも、たびたび怖がってた。

極度に心配してた、というほうが近いかも。

 

(※ だからわたしは未だに「身のまわりのモノすべてが童話の種になるよ」といっています。…そうしようとすれば、ですけどね)

 

気がついたら、それから20年たっていて。

活字になったもの、ならなかったもの(いわゆるボツ)、書き上げられなかったもの(書く書く詐欺)……そんな違いはあれど、物語を思いつき続け、書き続けているわけです。

(さらに、仕事とは関係なく書いて公開しているし)

 

だって、世界が、人物が、その言動が見えちゃったら、追いかけて観察するのが楽しくてたまらないし、書き留めずにいられないし。

(正直、文章を書くのは苦手。めんどくさい。特に、地の文。最初に書いたのが最後まで残ることは滅多になくて、えんえんと、ちまちまと、単語単位で修正をくりかえしている自分がウザい)

 

聞かれて、言葉にして、昔を思い返し……

「これが最後かも」と、おののいていた当時を懐かしみました。

20年前に戻って「大丈夫だよ、あんた、この先もしつこく書いてるよ」と言ってやりたい気分ですよ、ははは、みたいな。

これ、生まれついての体質だよね、へへへ、みたいな。

 

 

でも、20年たった今では、別の意味で「最後の作品」に近づいてるよね。

意識してそうするか、脳や心臓が勝手にピリオドを打っちゃうのか、それがいつになるかもわからないけど。

それまでは、のんびり(ときにはガツガツ?)物語を創り続けていくんじゃないかと思います。