「まちがいカレンダー」
この作品は1970年に刊行されたようです。
わたしの手元にある本では、そうなっています。
小3のときには東京に住んでいて、担任の先生は教室で本を読み聞かせてくれる人でした。
わたしにとっては、この年が「読書元年」でした。
(自分で、見様見真似で童話を書いてみたのも、このころでした)
「まちがいカレンダー」も先生が選んだ一冊。
読んでもらって、ドキドキして、それからずっと、
「あの話にまた会いたいなぁ」
と思っていて……。
でも、タイトルも作者も頭になくて。
当時の先生と交流があれば聞けたかも、ですが、5年生で大阪に引っ越してしまっていますし。
覚えていたのは、11月31日があって12月1日がなくなることと、サンタクロースが出てくることくらいでした。
だから、20代で引っ越してきた町の古書店(の児童書コーナー)で、ふと目に止まって「まちがいカレンダー」を手に取ったとき、
「ああ、これだ!」
となって……。
それは、わたしにとって衝撃的な再会でした。
以来、結婚後も手元に置いているんですが……そういえば読み返してないわ。
持っているだけで満足、なのかも。
だから、詳しい内容は説明できません。
この作品は、作者の古田足日さんの代表作……と呼ばれるものではないのだと思います。
amazonでももう扱われていないし(コレクター価格としてすごい金額になってる)ウィキペディアにも作品解説がないもの。
それでも、わたしの小学校時代(の読書体験)を代表する本の一冊です。
わたしも、これまで何冊か本を出していただきました。
代表作とかヒット作とか、そういうのがあるわけじゃない……隅っこの作家です。
それでも、どこかでわたしの本と出会ってくれた子が、将来、
「ああ、あの本はなんだっけ? 誰が書いたんだっけ? 情報が出てこないけど、確かに読んだよね? あのころ好きだったな、また出会いたいな」
って、探してくれたらうれしい……。
子どもの記憶の深いところに、つんと刺さったままになる……かもしれないというのが、児童書の「すごいところ」だと、つくづく思うのです。
自身のことをふりかえるたび。